一般社団法人日本個人情報安全協会

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個人情報の取扱いに疑念があるサービス運営会社が、競争者に対する取引妨害で公取委の排除命令を受けた。

MCデータプラスが独占禁止法第19条(不公正な取引方法第14項(競争者に対する取引妨害))の規定に違反する行為を行っているとして排除措置命令を受けたが、個人情報の取扱いにも疑念がある。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE240SM0U4A221C2000000/

事件内容はNEWSや公取委の発表を参照いただきたいが、個人情報保護で目を引いたのは、MCデータプラスが個人情報取扱の基本を守っていないという指摘である。

定義と違反は下記の通りである。

定義(抜粋)
・MCデータプラスは、建設業向けクラウドサービスを建設業者等のユーザーに提供する事業を営み、「グリーンサイト」と称する労務安全サービスを提供している
・「作業員情報」とは、「グリーンサイト」ユーザーのうち、下請となるユーザーが登録する、建設工事の現場で作業に従事する作業員の個人情報をいう。

違反とされた事項(抜粋)
MCデータプラスは、ユーザーが登録した作業員情報等を電磁的記録として直接出力できないようにしている。
ユーザーからMCデータプラスに対し、他社の労務安全サービスに移行可能な形式で、作業員情報の提供を要請する者がいた。
MCデータプラスは、当該要請があったグリーンサイトのユーザーに対し、当該ユーザー自らが登録した作業員情報であるにもかかわらず個人情報の保護を理由にするなどして、合理的な理由なく当該作業員情報の提供を拒んでいる。

今回のケースでは、個人情報の出力を拒んだことが問題になりうる。
例外はあるものの、下記28条に抵触しないか今後の判断が待たれる。

個人情報保護法第28条
本人は、個人情報取扱事業者に対し、当該本人が識別される保有個人データの開示を請求することができる。
2 個人情報取扱事業者は、前項の規定による請求を受けたときは、本人に対し、政令で定める方法により、遅滞なく、当該保有個人データを開示しなければならない。

なお、MCデータプラスは取消訴訟の提起及び執行停止の申立てをしている。

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